今年度は、探究的な学びの場で言葉による見方考え方を働かせ、言葉で適切に表現する資質・能力を発揮させるカリキュラム・マネジメントについて研究を進めていきます。探究的な学びにおいては、相手が知らないような内容を解き明かすように順序立てて説明したり、学んだことを価値づけたりすることが必要になってきます。「説明する」、「解説する」などの「学びの言語」に着目し学んだことを自分の言葉で表現し、伝える資質・能力を高める手立てを探っていきます。
・資質・能力を探究的な学びの文脈で発揮できるカリキュラム・マネジメント
・表現・理解が一体となった カリキュラムや単元構成
・系統的な資質・能力の育成・発揮のための「学びの言語」の活用
指導案 自分たちの取り組みを解説しよう
https://daikyodai-my.sharepoint.com/:b:/g/personal/fujii-y87_ms_osaka-kyoiku_ac_jp/ETe1cSJgvHJCuh0YZkZS15IBPfLEoe2BbbFURdJfFVnU2Q?e=KLsPCg
次の2点を授業提案としました。
① 学びの言語に着目したカリキュラムマネジメント
・国語科における説明的文章を用いた「説明する−報告する−解説する」という言語行為としての整理
・学びの言語を規定することで育成したい資質・能力を明確化でき、評価することができる。
「解説する」について、ここでは書く資質・能力として、以下のように規定する。
・読み手に馴染みのないと思われることを題材として取り上げようとしている。
・事実の羅列ではなく、仕組みや理由などを関係づけながら文章に書くことができる。
・図や表を用いて仕組みや調査の分析を文章に書くことができる。
②子どもの探究の文脈にそった書く活動(未来そうぞう科のサイクルで言語活動を設定)
ここでは、生き物調査の資料やゲストティーチャーから教わった内容、ムシムシ村に招いた児童アンケートなど、自分たちの取り組みや体験したことが題材となり資料となる。
子どもたちにとっては「解説する」という意識は初めてで、その書き方をつかむ段階の授業として行いました。
指導案 紹介しよう、みんなの健康につながる遊びやスポーツ
https://daikyodai-my.sharepoint.com/:b:/g/personal/fujii-y87_ms_osaka-kyoiku_ac_jp/EU_T-q3L1LxHjSWo7O9Ub4EBSpygQY0G7XcVHx73ycR-cQ?e=9sICCi
パラリンピックについて「紹介する」文章として、例の挙げ方や2つの例の説明の仕方仕方を読み取っていきました。水泳については読者も知っている人が多いから簡単な説明でいい。ボッチャは知らない人が多いから、図も用いてルールの説明を詳しくしているなどの気づきが出てきました。
この二つの例が選ばれている理由として、「はじめ」の部分との関連、ルールが工夫され特別な道具が使われている競技だから、興味をもってもらうのにいい例などの考えが出てきました。
これだけを読んですぐにできるわけではなくて、まずは知らない人に興味をもってもらい、そこから詳しく調べたり、やってみたいと思ったりするようになってもらうという「紹介する」文章という特色にについて話し合いました。
授業の導入では、インターネットの資料をそのまま書き写しているものと「調べてわかったこと」に自分の感想を書いているレポートの例を読み合い、「報告する」レポートの書き方を確認しました。わからない言葉や漢字をそのまま使うのではなく、言い換えたり、調べたここと(事実)と自分の考えや感想を分けて書いたりすることで伝わりやすいものになることをつかんでいました。
また、友達のメモを紹介し、書き方で参考にできるものを見つけました。数ページにもわたるメモに線が引いてあり、みんなに知ってもらいたいことや初めて知ってすごいと思ったことで優先順位をつけることや副校長先生から聞いた昔のムシムシ村のことを「〜だそうです」という文末表現を用いているなど、聞いたことをまとめることなどを共有し、自分のレポートを書く活動へと移っていきました。
その後の交流活動では、付箋で感想を伝え合い、「虫と花のつながりを見つけていてすごいと思った。」「調べたことが同じでも、知らないことがあった。」などと感想を伝えあっていました。書くことの題材は、未来そうぞう科「ムシムシ村をカラフルに」の取り組みと関連しています。